全文検索サーバーの概要

全文検索サーバーは、Garoonで作成した文書や添付ファイルなどをまとめて検索するためのサーバーです。全文検索の対象のアプリケーションで、どのデータがどの単語を含むかなどの情報を、インデックスに保存します。
ユーザーがGaroonで全文検索を実行すると、全文検索サーバーはインデックスを検索し、その結果を返します。インデックスを利用すると、検索処理にかかる時間を短縮できます。
アプリケーションによっては、検索できるフォルダーやカテゴリーなどの数に上限があります。

全文検索を使用できるアプリケーションと検索できるフォルダーやカテゴリーなどの上限、および検索できるデータについては、検索の仕様を参照してください。

全文検索サーバーのしくみ

全文検索サーバーは、「Solr」と「Worker」で構成されます。SolrとWorkerは、GaroonのアプリケーションやMySQLと連携して、次のように動作します。

画面キャプチャー:全文検索サーバーの動作を説明

各経路の説明
経路 説明
(1) GaroonのアプリケーションはMySQLのキューに、Garoonのデータと、添付ファイルのパスを追加します。
(2) キューにデータが追加されると、GaroonのMySQLは全文検索サーバーのWorkerに通知します。
(3) GaroonのMySQLから通知を受けたWorkerは、キューからデータを取得します。
Workerは、取得したデータに含まれるファイルパスをもとにGaroonの添付ファイルにアクセスし、データを取得します。
(4) Workerは、取得したデータをSolrに送信します。
データを受け取ったSolrは、検索に必要なインデックスを構成します。
(5) ユーザーがGaroonで検索すると、GaroonのアプリケーションはSolrに検索をリクエストします。
Solrは受け取ったキーワードに対応する検索結果をGaroonに送信します。

全文検索サーバーの試用について

全文検索サーバーは、Garoonをインストールした日から60日間試用できます。
Garoonの試用期間後も使用するには、Garoonで継続サービスライセンスキーを登録する必要があります。
ライセンスの登録についてはライセンスの管理を参照してください。

動作環境

全文検索サーバーの動作環境は次のとおりです。(2024年1月現在)

対応OS
OS バージョン
Windows(64bit) Windows Server 2022 Datacenter
Windows Server 2022 Standard
Linux(64bit) Red Hat Enterprise Linux Server 7
Red Hat Enterprise Linux Server 8
Garoonのバージョンと全文検索サーバーのバージョン対応
OS 対応している全文検索サーバーのバージョン
Garoon バージョン 4.6から5.15 2.0.3
Garoon バージョン 4.0および4.2 2.0.1、2.0.2、2.0.3

全文検索サーバーの運用に必要なストレージの容量

Garoonを運用しているサーバーに必要な容量

Garoonで「メール」アプリケーションを使用していると、メールの添付ファイルのインデックスを作成するため、Garoonを運用しているサーバーに添付ファイルのコピーが作成されます。インデックスの作成が完了すると、添付ファイルのコピーは削除されますが、ストレージに十分な空き容量を確保してください。
次の場合には、Garoonに保存されたすべてのメールの添付ファイルがコピーされるため、ストレージの使用領域が一時的に増加します。

  • 運用中のGaroonに全文検索サーバーを導入する場合
  • インデックスを再作成する場合

Garoonに保存されるメールの添付ファイルの合計サイズは、次のディレクトリーのサイズを目安にしてください。
(Garoonのインストールディレクトリー)/mysql-5.0/files/(インストール識別子)/mail/

  • Windows版での例:
    C:\Program Files\Cybozu\mysql-5.0\files\cbgrn\mail
  • Linux版での例:
    /usr/local/cybozu/mysql-5.0/files/cbgrn/mail/
  • DB分割構成での例:
    /usr/local/cybozu/files/mail/

メールの添付ファイルは次のディレクトリーにコピーされます。
(Garoonのインストールディレクトリー)/mysql-5.0/files/(インストール識別子)/mail/tmp_solr_index/

  • Windows版での例:
    C:\Program Files\Cybozu\mysql-5.0\files\cbgrn\mail\tmp_solr_index
  • Linux版での例:
    /usr/local/cybozu/mysql-5.0/files/cbgrn/mail/tmp_solr_index/
  • DB分割構成での例:
    /usr/local/cybozu/files/mail/tmp_solr_index/
全文検索サーバーを運用しているサーバーに必要な容量

全文検索サーバーを運用するサーバーには、インストールディレクトリーに、インデックスやログを保存するための空き容量が必要です。
標準のインストールディレクトリーと、全文検索サーバーの運用に必要な空き容量は、次のとおりです。

標準のインストールディレクトリー:

  • Windows版:
    C:\Program Files\Cybozu\cbfts
  • Linux版:
    /usr/local/cybozu/cbfts

運用に必要な空き容量:
Garoonのデータの50%程度

Garoonのデータ量の目安

Garoonのデータ量は、次のデータの合計です。

  • MySQLのデータ量:
    MySQLの「data」ディレクトリーのサイズです。
  • 添付ファイルのデータ量:
    MySQLの「files」ディレクトリーのサイズです。

Garoonを既定の設定でインストールした場合、それぞれのディレクトリーのパスは次のとおりです。

  • Windows版:
    dataディレクトリー:C:\Program Files\Cybozu\mysql-5.0\data
    filesディレクトリー:C:\Program Files\Cybozu\mysql-5.0\files
  • Linux版:
    dataディレクトリー:/usr/local/cybozu/mysql-5.0/data
    filesディレクトリー:/usr/local/cybozu/mysql-5.0/files
  • DB分割構成:
    dataディレクトリー:/usr/local/cybozu/mysql-5.0/data
    filesディレクトリー:/usr/local/cybozu/files

ウイルススキャンの回避

Garoonや全文検索サーバーを運用しているサーバーでウイルス対策ソフトウェアが動作している場合、インデックスを作成する前に、ウイルススキャンの対象から次のディレクトリーを外す必要があります。

  • Garoonを運用するサーバー:
    (Garoonのインストールディレクトリー)\mysql-5.0\files\(インストール識別子)\mail\tmp_solr_index
  • 全文検索サーバーを運用するサーバー:
    (全文検索サーバーのインストールディレクトリー)\cbfts

例:
C:\Program Files\Cybozu\mysql-5.0\files\cbgrn\mail\tmp_solr_index
C:\Program Files\Cybozu\cbfts

ウイルス対策ソフトウェアの監視対象に上記のディレクトリーが含まれていると、インデックスの作成に時間がかかる場合があります。