mysqldumpを使用したリストア

mysqldumpを使用してデータをリストアする方法を説明します。
リストア中は、ユーザーはGaroonにアクセスできません。ユーザーがGaroonにアクセスしない時間帯にデータをリストアしてください。

リストア前の確認事項

mysqldumpを使用してリストアする前に、次の事項を確認します。

バックアップモードを使用可能にする

mysqldumpを使用したリストアは、データベースを起動した状態で行います。
ただし、filesディレクトリーは、OSのコマンドを使用して別途リストアする必要があります。データの整合性を保つために、リストア中はデータベースの更新を禁止する必要があります。
バックアップモードを使用して、リストア中はユーザーがGaroonにアクセスできないようにします。

初期設定では、バックアップモードを使用できません。
リストアを開始する前に、設定ファイル「common.ini」の内容を変更し、バックアップモードを使用可能にします。

「common.ini」のファイルパス

(CGIディレクトリー)/(インストール識別子)/common.ini
例:

  • Windows環境:
    C:\inetpub\scripts\cbgrn\common.ini
  • Linux環境:
    /var/www/cgi-bin/cbgrn/common.ini
「common.ini」で変更する内容

[BackupMode]の下の「disable = "1"」の行を削除します。
変更前:


[BackupMode]
disable = "1"
driver = “xxxxx”

変更後:


[BackupMode]
driver = “xxxxx”

mysqldumpの速度

mysqldumpは、データ量に比例してバックアップとリストアの時間が長くなります。
リストアはバックアップより時間がかかります。
mysqldumpを使用したリストアは、OSのコマンドを使用したリストアより時間がかかります。

リストア後のディスク使用量

mysqldumpを使ってリストアすると、バックアップ前よりディスク使用量が少ない場合があります。バックアップしたデータに未使用領域が含まれていないためです。データが欠落しているわけではありません。

Windows環境の場合

Windows環境で、mysqldumpを使用してデータをリストアします。
インストーラーに同梱されているMySQLを使用している場合を例に説明します。

  • インストール識別子:cbgrn
  • CGIディレクトリー:C:\inetpub\scripts
  • MySQLのインストールディレクトリー:C:\Program Files\Cybozu
  • バックアップデータの保存先:C:\backup\YYYYMMDD
操作手順:
  1. Webサーバーサービスを停止します。

  2. スケジューリングサービスを停止します。

    Windowsのスタートメニューから、[管理ツール] > [サービス]を選択し、次のサービスを停止します。

    • Cybozu_Scheduling_Service_cbgrn

  3. スケジューリングサービスが停止していることを確認します。

    1. タスクマネージャーを起動します。
    2. Windowsタスクマネージャーで、[プロセス]のタブをクリックします。
    3. sched.exeが表示されないことを確認します。

  4. コマンドプロンプトを起動します。

  5. Garoonをバックアップモードに設定します。

    cd C:\inetpub\scripts\cbgrn
    .\grn.exe -C -q code\command\backupmode_start.csp

  6. データベース管理ユーザーで、バックアップしたデータを読み込みます。

    "C:\Program Files\Cybozu\mysql-5.0\bin\mysql" --defaults-file="C:\Program Files\Cybozu\mysql-5.0\etc\my.ini" -u cbroot -p < C:\backup\YYYYMMDD\full.sql

  7. データベース管理ユーザーのパスワードを入力します。

  8. 既存の添付ファイル領域を削除します。

    rmdir /s /q "C:\Program Files\Cybozu\mysql-5.0\files"

  9. OSのコマンドを使用して、添付ファイルをリストアします。

    xcopy C:\backup\YYYYMMDD\files "C:\Program Files\Cybozu\mysql-5.0\files" /e /i

  10. 手順6と手順9でリストアしたディレクトリーで、Everyoneにフルコントロール権限が付与されていることを確認します。

    付与されていない場合は、Everyoneにフルコントロールの許可を設定します。

  11. MySQLサービスを再起動します。

    Windowsのスタートメニューから、[管理ツール] > [サービス]を選択し、次のサービスを再起動します。

    • Cybozu_Database_Engine_5_0

  12. バックアップモードを解除します。

    cd C:\inetpub\scripts\cbgrn
    .\grn.exe -C -q code\command\backupmode_end.csp

  13. スケジューリングサービスを起動します。

    Windowsのスタートメニューから、[管理ツール] > [サービス]を選択し、次のサービスを起動します。

    • Cybozu_Scheduling_Service_cbgrn

  14. Webサーバーサービスを起動します。

  15. Garoonに正常にアクセスできることを確認します。

Linux環境の場合

Linux環境で、mysqldumpを使用してデータをリストアします。
インストーラーに同梱されているMySQLを使用している場合を例に説明します。

  • インストール識別子:cbgrn
  • CGIディレクトリー:/var/www/cgi-bin
  • MySQLのインストールディレクトリー:/usr/local/cybozu
  • バックアップデータの保存先:/backup/YYYYMMDD
操作手順:
  1. Webサーバーサービスを停止します。

    • Red Hat Enterprise Linux 6以前の場合:
    /etc/init.d/httpd stop
    • Red Hat Enterprise Linux 7以降の場合:
    systemctl stop httpd.service

  2. スケジューリングサービスを停止します。

    /etc/init.d/cyss_cbgrn stop

  3. スケジューリングサービスが停止していることを確認します。

    次のコマンドを実行し、スケジューリングサービスが表示されないことを確認します。

    ps -aux | grep cyss

  4. Garoonをバックアップモードに設定します。

    cd /var/www/cgi-bin/cbgrn
    ./grn.cgi -C -q code/command/backupmode_start.csp

  5. データベース管理ユーザーで、バックアップしたデータを読み込みます。

    /usr/local/cybozu/mysql-5.0/bin/mysql --defaults-file=/usr/local/cybozu/mysql-5.0/etc/my.ini -u cbroot -p < /backup/YYYYMMDD/full.sql

  6. データベース管理ユーザーのパスワードを入力します。

  7. 既存の添付ファイル領域を削除します。

    rm -rf /usr/local/cybozu/mysql-5.0/files

  8. OSのコマンドを使用して、添付ファイルをリストアします。

    cp -rp /backup/YYYYMMDD/files /usr/local/cybozu/mysql-5.0/

  9. リストアしたデータのアクセス権が適切に設定されていることを確認します。

    Garoonを利用するために必要なアクセス権の設定は、次のとおりです。

    • /usr/local/cybozu/mysql-5.0/dataのデータ
      所有者:CGI実行ユーザー(例:apache)
      ディレクトリーおよびサブディレクトリーのアクセス権:755
      ディレクトリー内のファイルのアクセス権:755
    • /usr/local/cybozu/mysql-5.0/filesのデータ
      所有者:CGI実行ユーザー(例:apache)
      ディレクトリーおよびサブディレクトリーのアクセス権:755
      ディレクトリー内のファイルのアクセス権:644

    アクセス権を変更する場合は、次のコマンドを実行してください。

    chmod -R 755 /usr/local/cybozu/mysql-5.0/data
    chown -R (CGI実行ユーザー):root /usr/local/cybozu/mysql-5.0/data
    find /usr/local/cybozu/mysql-5.0/files/ -type d | xargs chmod 755
    find /usr/local/cybozu/mysql-5.0/files/ -type f | xargs chmod 644
    find /usr/local/cybozu/mysql-5.0/files/ | xargs chown (CGI実行ユーザー):root

  10. MySQLサービスを再起動します。

    /etc/init.d/cyde_5_0 restart

  11. バックアップモードを解除します。

    cd /var/www/cgi-bin/cbgrn
    ./grn.cgi -C -q code/command/backupmode_end.csp

  12. スケジューリングサービスを起動します。

    /etc/init.d/cyss_cbgrn start

  13. Webサーバーサービスを起動します。

    • Red Hat Enterprise Linux 6以前の場合:
    /etc/init.d/httpd start
    • Red Hat Enterprise Linux 7以降の場合:
    systemctl start httpd.service

  14. Garoonに正常にアクセスできることを確認します。